今、公務員として働いているけれど、やっぱり地元の自治体で働きたい。
急に夫の転勤が決まって、公務員を辞めることになりそう。
公務員として働いていても、さまざまな事情で転職を考えることがあると思います。
「公務員から公務員」への転職は、自身の経験と専門知識を活かしながら、新たなキャリアを築ける魅力的な選択肢のひとつです。
とはいえ、転職は大きな決断です。家族がいれば、生活習慣が変わったり、転校をする必要も出てくるかもしれません。
でも、転職の目的を明確にして、ひとつずつ課題を解決していけば大丈夫。
しっかりした準備と情報収集を行うことで、公務員から公務員への転職を成功させられる可能性は高まります。
私の夫も、地方の市役所から政令市役所への転職を成功させました。
この記事では、公務員間転職を成功させるために重要なポイントや転職までのステップを丁寧に解説します!
公務員から公務員への転職の可能性と特徴
公務員から公務員への転職は可能か?
ズバリ、公務員から公務員への転職は可能であり、民間企業からの転職組に比べて有利な点は多いです。
公務員として働いていると、公務員間でしかわからない専門用語があったり、特有の慣習があることに気づきます。
たとえ働く自治体が変わったとしても、すぐに専門用語や慣習に馴染むことができるのは元公務員の有利な点です。
公務員から公務員への転職のメリットとデメリット
公務員が民間企業へ転職する場合と比べて、公務員間で転職する場合のメリットは以下のものがあります。
・経験や知識が活かしやすい
・基本給や退職金を引き継げる可能性が高い(自治体の条例による)
メリット1:経験や知識が活かしやすい
公務員から公務員への転職では、既に公務員としての経験や知識があるため、新たな職場でもその経験を活かすことができます。
特に、同じ分野や職種での転職の場合は、スキルや業務の習熟度が高く、効率的に仕事に取り組むことができるでしょう。
メリット2:基本給や退職金を引き継げる可能性が高い(自治体の条例による)
公務員間の転職では前職の経験に基づき、基本給や退職金を引き継げることが多いです。
基本給や退職金を引き継げる場合は、転職による大幅な給料ダウンを避けられます。
自治体によっては、地域手当が加算される場合もあるので、事前に調べておきましょう。
逆に、公務員から公務員へ転職する時のデメリットはあるのかな?
同じ公務員といっても、職場は変わるわけだから、新しい環境に慣れるまでは大変なこともあるよ。
公務員が公務員へ転職する場合のデメリットは以下のようなものがあります。
・競争倍率が高い
・新たな環境への適応する必要がある
デメリット1:競争倍率が高い
公務員になるためには採用試験を突破しなくてはなりません。
自治体や職種によっては、競争倍率が高いこともあります。
公務員から公務員へ転職する際には、求められるスキルや経験に加えて、他の応募者との競争に勝つ必要があります。
デメリット2:新しい環境へ適応する必要がある
新たな職場や業務に適応するためには、新しいルールや制度の習得、新しいチームとの関係構築などが必要となります。
これにより、一定の適応には時間や努力が必要となるため、最初の段階では不安やストレスを感じるかもしれません。
しかし、適応期間を経て新しい環境に慣れてくると、仕事への満足感や成長の機会も得られるでしょう。
公務員から公務員への転職を考える前に検討すべきポイント
公務員から公務員への転職を成功させるために最初に考えておきたいことがあります。
転職の動機を整理する
公務員から公務員への転職を考える前に、自身の転職の動機を整理することが重要です。
▶例えば、「今の職場は残業が多くて辛い。もっと家族との時間を大切にしたい。」という動機で転職したい場合
→「転職先は残業が多すぎないのか」「残業は少ないけれど、家から遠すぎて家族との時間が取れない」などの心配はないのかチェックする必要があります。
他にも、「全国転勤のない職場がいい!」とか「今より、もっと大きな仕事をしてみたい!」とか色々あるよね。
転職先の組織や職場環境の調査をする
転職の動機を明らかにしたあとは、転職後の職場で自分の転職目標が達成できるか再確認しましょう。
転職先の職場環境を詳しく調査することが重要です。
職務内容と責任範囲
自身が興味を持ち、やりがいを感じられる業務に携われるかどうか
労働条件と福利厚生
給与水準や昇進制度、休暇制度、健康保険など、自身の生活スタイルや将来のキャリアプランに適した条件を持つ組織かどうか
職場環境と人間関係
職場の風土やチームワークなどを把握し、自身が働きやすい環境かどうか
組織の将来性と安定性
転職先の組織の財政状況、将来的な施策やプロジェクトなどについて情報を収集し、自身の長期的なキャリアビジョンと組織の方向性が一致しているかどうか
別の記事で一般市役所と政令市役所のメリットとデメリットについて記事にしているので、どちらの市役所を受験するか迷っている人は参考にご覧ください。
公務員から公務員への転職の方法とポイント
公務員から公務員への転職を考える際には、まずは志望先の採用試験を受験する必要があります。
募集要項を確認し、志望先を決める
公務員試験の受験を決意したら、自身の希望に合わせて、志望先を決めましょう。
応募資格の確認
どの組織も、採用にあたって必要な資格や条件を設定しています。
まずは自身が応募資格を満たしているかを確認しましょう。
資格や条件に合致していない場合は、別の組織や職種を検討することも考慮に入れてください。
同じ自治体でも、
・一般の採用枠(高卒、大卒の新卒者から受けられる枠)
・経験者枠/社会人経験枠
・就職氷河期世代採用枠
など複数の採用枠を設けているところが増えてきているので、それぞれの条件をしっかり確認するようにしましょう。
募集要項の把握
採用試験の募集要項をよく読み、試験内容や日程、必要書類の提出方法などを把握しましょう。
試験に関する情報は各組織の公式ホームページで入手できます。
過去の試験問題の研究
過去の試験問題を研究することで、出題傾向や重要なポイントを把握することができます。
公務員試験には一般教養や専門知識、面接試験などが含まれることが一般的ですので、それぞれの試験に適した学習方法を選びましょう。
下記のものは夫が社会人として働きながら、どのようにして筆記試験を突破方法を記事にしました。
実際に使用していたテキストなども載せていますので、興味がある人はぜひご覧ください。
対策の計画立て
試験に向けて計画を立て、十分な準備期間を確保しましょう。
学習時間や勉強方法、模擬試験の受験など、効果的な対策を取ることが重要です。
試験内容にもよりますが仕事をしながら受験する場合は、半年〜1年くらいあるとしっかりと対策ができます。
もし、絶対に1年で転職したいなら、受験先を複数選んでおくこともおすすめです!
自身のスキルを棚卸しする
公務員から公務員への転職を考える際には、自身のスキルや経験を正確に把握することが重要です。
スキルの棚卸しを行うことで、自身の強みや改善が必要な点を把握し、面接試験の際に生かすことができます。
公務員転職活動のステップ
公務員から転職する場合、退職せずに採用試験を受験する人が多いと思います。
そうなると、採用試験に向けた勉強をできるのは、平日の朝もしくは夜、土日祝日です。
家族がいる場合は、さらに勉強できる時間が少なくなるでしょう。
学生時代に比べて、社会人は割ける時間が少ないので、合格に向けて戦略を練り、対策をする必要があります。
職務経歴書で公務員経験をアピールする
公務員から公務員への転職を考える際には、履歴書や職務経歴書を通じて公務員経験をアピールすることが重要です。
公務員経験は他の応募者との差別化要素となるため、以下のポイントに注意してアピールしましょう。
具体的な業務内容の記載
公務員としての業務経験を具体的に記載しましょう。
担当した業務やプロジェクトの詳細、関わった法案や政策の実施内容などを具体的に示すことで、自身の実績やスキルをアピールできます。
成果や貢献度の強調
過去の公務員経験で得た成果や貢献度を強調しましょう。具体的な数値やデータ、表彰や評価など、実績を裏付ける要素を記載することで、自身の能力や影響力をアピールできます。
公務員としての資格や研修の記載
公務員としての資格や研修受講歴を記載しましょう。公務員試験の合格や研修修了証など、公的な資格や証明書は公務員経験の信頼性を高めるため、積極的にアピールしましょう。
公務員試験の筆記対策と面接対策をする
公務員転職活動では、公務員試験の筆記試験と面接試験に備える必要があります。
以下のポイントに留意して対策を行いましょう。
筆記試験の対策
公務員試験の筆記試験は、一般教養や専門知識を問われる場合があります。過去の試験問題の研究や模擬試験の受験を通じて、出題傾向や重要なポイントを把握しましょう。
また、解答のポイントや論理的な思考力を養うために、問題解決や論述問題の練習も重要です。
面接試験の対策(社会人採用では特に重要)
面接試験では、自己PRや適性を評価されます。自身の強みやキャリア目標、なぜ公務員として働きたいのかを明確にしましょう。自己分析を行うことで、自信を持ってアピールすることができます。
自治体(志望先)調査
志望先の自治体の事業内容や理念、取り組みなどを調査しましょう。面接で組織に対する理解や関心を示すことが重要です。
面接対策
友人や家族などに面接のシュミレーションを依頼し、練習を行いましょう。
自身の表現力や姿勢、回答の明瞭さなどを確認し、改善点を把握します。
社会人の公務員試験対策を行う場合、もちろん独学ですることもできますが、エントリーシートの添削や面接対策は自分ひとりではなかなか難しいもの。
仕事で忙しい人にもおすすめなのがSTUDYing(スタディング) の社会人経験者合格コースです。
Webで受講できるので、通勤中にスマホで勉強したりするのにピッタリです。
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独学か通信講座を受講するべきか迷っている人は下記の記事も参考にしてみてください。
公務員から公務員への転職した人たちの経歴
公務員から公務員への転職は実際に多くの人が達成しています。
以下に、転職成功事例の一部を紹介します。
実際の転職事例を紹介
私の夫と同じタイミングで採用された同期の転職組では、
①政令市→政令市(夫の転勤についてきた/40代女性)、
②国家公務員→政令市(地元に帰りたい/30代男性)、
③一般の市役所→政令市(この町に憧れて/20代女性)などのパターンで転職を成功させている人がいました。
意外と公務員から公務員へ転職を成功させている人は多いんだね!
転職成功のための3つのポイント
次に、公務員から公務員への転職を成功させるために欠かせない3つのポイントを紹介します。
目標の明確化
転職を考える前に、なぜ転職したいのか、どのような職場や業務に興味があるのかを明確にしましょう。具体的な目標を持つことで、転職活動の方向性を明確化することができます。
研究と準備
転職を希望する受験先や職種について詳しく調査し、求められる能力や人物像を把握しましょう。公務員試験の内容や面接での重要ポイントを把握するために、過去の合格者の体験談を参考にすることも大切です。
自己PRの準備
応募書類や面接で自己PRを行う際には、公務員としての経験や成果を具体的にアピールしましょう。自身の強みやキャリア目標を明確にし、転職先の組織に貢献できることを示すことが重要です。
まとめ
転職を考えはじめたときは、公務員から公務員への転職は本当に可能なのか不安になることもあると思います。
確かに仕事をしながらの転職活動は大変なことも多いですが、1つずつステップを踏むことで必ず道は拓けます。
①転職の動機を整理
②転職先の組織や職場環境の調査
③志望先を決定し、受験対策を行う
成功への道は自身の意思と行動次第です。公務員から公務員への転職に向け、一歩踏み出しましょう。
Q&A
- 公務員から公務員への転職のメリットは何ですか?
-
公務員経験を持っているため、転職先の組織で即戦力として活躍することができます。また、給与面や福利厚生面が大きく変わらないというメリットもあります。
- 公務員から公務員への転職において重要なポイントは何ですか?
-
まず、自身の転職の動機を明確にし、なぜ転職したいのかを理解することが重要です。次に、転職先の組織や職場環境を調査し、自身に合った環境を選ぶようにしましょう。
- 公務員から公務員への転職に成功するためのポイントはありますか?
-
公務員としての経験や業務成果を具体的に記載し、転職先の組織が求める能力や実績との関連性を示すことが重要です。計画的に筆記試験や面接対策を行うようにしましょう。